『ブレス・オブ・ライフ~女の肖像』、理想の部屋。

演劇を観たいという気持ちと新国立劇場の「4作品買ってくれたら、安くしまっせ」という
企画がタイミングよくハマりまして、この秋は、4本観劇する予定でおります。

一弾目は『三文オペラ』。
で、二弾目がコレ、『ブレス・オブ・ライフ~女の肖像』です。
ロンドンで話題だったというディビット・ヘアの脚本、作演出は蓬莱竜太、
若村真由美、久世星佳さんの2人芝居です。

特筆すべきは、セットです。
あれは、私の理想の部屋かも!

中央に天井まで届く出窓、窓のところにクッションがあって、座ることも出来ます。
二幕で久世さんが座るのですが、とにかくキレイ! 絵になっていました。
その左右に、やはり天井まで届くハシゴつきの本棚。止まった大時計に、電気スタンド。
左奥に出入りのドア、その手前に胸くらいまでの高さの本棚、
本棚の前に大きな作業テーブル、肘掛つきの椅子。
テーブルのまわりには、入りきらない本、本、本! そして、床に直置き燭台。

テーブルと対になるように、デイベッドとテーブル。
デイベットの下に敷物があり、そこにティーセットが置かれたり、インド料理が置かれたり……。
右側の壁には、暖炉。暖炉の奥に、スツール。天井には、小ぶりのシャンデリア。

英国趣味が生きていて、全体に散らかっていて、そこかしこに箱があり、本が溢れています。
今、気づいたのですが、箱の中からストールやカーディガンが出てくるのは、ちょっと不思議かも。
ご都合主義っぽいなー。
せっかくの完成された美術だし、生きることに適当な家主の性格をよく表していますから、
さりげなく、混沌の中にまぎれこませちゃえばいいのに。そのあたりにおきっぱのほうが、
箱から取り出すよりもいいでしょう。と、細かい重箱のスミつつきをしたくなるほど、
めちゃくちゃ好きです。素晴らしいです!

たくさんの本、読むこと、学ぶことが大事で、あとは適当。
高い理想に生きていて、生活や現実感覚はない。お金は不自由しないだけある。
そういう家主のキャラを端的に表す美術で、秀逸です。

あら、語り過ぎました。まずは、ベタ褒め舞台美術の巻です。
あれを見るだけに、もう一回行っていいくらい。本当にステキです。私の理想の部屋であり、
登場人物のキャラを反映した素晴らしい出来栄えです。

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